中学

2024/10/16

中学3年生 八幡雪麗さんが第38回全国書写書道展覧会で読売新聞社賞を受賞

9月に開催された「第38回全国書写書道展覧会」において、読売新聞社賞を受賞した中学3年生の八幡雪麗さんにインタビューを行いました。彼女の作品「斜陽」は、見事な技術と表現力で高い評価を受け、多くの人々に感銘を与えました。前年度の同展覧会でも特別教育振興会賞を受賞している八幡さんですが、今回は、作品への思いや書道に対する姿勢についてお話を伺いました。

【八幡雪麗さんインタビュー】
— 受賞作品「斜陽」に込めた思い
「今回の作品は『斜陽』という言葉を書きました。傾く日を意味するこの言葉は、書道の中で特別な挑戦として選びました。これまであまり書いたことのない文字でしたが、その分挑戦する価値があり、自分の成長を感じられる良い機会でした。」と八幡さんは語ります。 八幡さんは作品制作にあたり、技術的な工夫も重ねたといいます。「例えば、筆の運びや墨の濃淡を細かく調整し、自分なりに納得のいく表現を目指しました。特に払いの部分は何度も練習し、繊細さを出すことに苦労しましたが、それが作品全体の完成度を高める要因になったと思います。」

— 墨絵への挑戦
八幡さんは書道だけでなく、墨絵にも挑戦した経験があります。「美術の授業で墨絵を描く機会があったんです、ずっとやってみたかったことが授業でできるなんて嬉しくて、とても楽しんで取り組みました。やってみると墨の濃淡を使い分けることが難しく、特に立体感を表現するために薄い墨と濃い墨を組み合わせるのが大変でした。でもその新しい挑戦がとても面白くて、書道とはまた違った楽しさを感じました。」と語ります。
昨年度のインタビューでも、墨絵に対する興味を示していた八幡さん。今回の挑戦を通じて、墨絵の奥深さをさらに実感したようです。「墨絵は、濃淡が作品の印象を大きく左右するところが魅力的です。行書では墨が均等に行き渡ることに気を遣いますが、墨絵ではあえてざらつきや濃淡を表現することで、独特の風合いが生まれます。そこがとても面白いと感じています。」と話してくれました。

— 書道に向き合う姿勢
普段、八幡さんは書道に取り組む際、心の準備を大切にしているとのこと。「書道を始める前には、半紙の位置や筆の状態を整え、全てが整った状態で集中します。形から入ることで心も整い、心が望む字を書くことができるようになるんです。」
彼女は普段でも自分の机の上は整えて、形から入る環境が好きになっていたと語ります。書道に対する真摯な姿勢は日常生活にも影響していることが伺えます。
また、書道以外にもサイエンス部に所属し、忙しい日々を送っている八幡さん。勉強や書道の活動との両立についても尋ねると、「書道は日曜日に行うので、他の活動とのバランスをとりながら取り組んでいます。サイエンス部の拠点である生物実験室の少しのざわつきは勉強の環境としても私の好みで居心地が良く、そこで先輩たちに教えてもらいながら勉強も進められるので、とても助かっています。」と話してくれました。

— 今後の目標
「書道を続けることで、さらに上を目指していきたいと思っています。この展覧会の最上位は文部科学大臣賞なんです。ただ、目指すのは受賞という結果だけでなく、字を書くことそのものを楽しみ、試行錯誤しながら自分が成長することが一番の目標です」と、これからの抱負について語る八幡さん。
最後に、彼女は「書道を通じて得た集中力や忍耐力は、他の活動にも活かされていると感じます。これからも様々な挑戦を続けていきたいです。」と、未来への意気込みを見せてくれました。

八幡さんの作品「斜陽」は、彼女の努力と情熱が詰まった素晴らしい一作です。今後の彼女の活躍に大いに期待しています。 

 (広報室)