施設紹介

建物概要

敷地面積:約24,200m2
建築面積:約2,800m2
延床面積:約9,450m2
構造・規模:鉄筋コンクリート造4階建(屋上天体観測ドーム)
外装 屋根:アスファルト防水、ウッドデッキ、屋上緑化
外壁:モザイクタイル貼り+コンクリート化粧打放し

知の探究を支える空間設計

工学院大学附属高等学校校舎

校舎の象徴的存在であるのが、高校棟中央に位置するアトリウムです。天井部分全面に天窓を備えた、5階相当まで吹き抜けた開放的な空間を回廊状に教室が囲む構造となっており、休み時間には生徒たちの賑やかな声が響き渡ります。

理科教育の充実にも力を入れており、中学生専用の理科室に加え、物理・化学・生物の3分野に対応した中高共通の実験室を完備。さらに、天体観測が行える天文台も備えており、生徒の探究心を引き出す多様な実験や観察活動が可能な環境を整えています。

教員室は、学習指導にとどまらず、進路指導や生活指導を一体的に進める場として、全教員が日常的に意見を交わしやすいよう大教員室を採用しています。教科ごとの教材開発室や準備室も備え、専門性の高い授業づくりを支えています。

2階建ての図書館は中高両校舎をつなぐ位置にあります。読書や調査を通じて知識を深める従来の機能に加え、館内には3Dプリンターなどの機器を備え、探究の成果やアイデアを自らの手でかたちにし、発信するためのクリエイティブな空間としても活用される場です。知識を「吸収する場」であると同時に、「表現し発信する場」へ──図書館は、生徒一人ひとりの思考と創造を支える、これからの学びの拠点のひとつです。

また、高校校舎北側には6コースのプールも整備され、炉を切った本格的な10畳の和室は落ち着きのある空間の中で日本文化を体験できる場として活用されています。

光と風が通る、開かれたトンネル型空間

野球 屋内練習場

幅45mmの木の柱を450mm間隔で連続的に並べ、全長60mを超えるトンネルのような屋内空間を構築しました。
柱の隙間からは、校外や運動場側からも生徒たちの練習風景を垣間見ることができ、閉鎖感のない開放的な設計が特徴です。
内部には人工芝を敷設しており、雨天時でも快適に、のびのびと練習に打ち込むことができます。

この施設は、工学院大学校友会からの支援を受け建設しています。

屋上に広がる宇宙への窓

天体観測ドーム

本校では、理科教育のさらなる深化を目指し、高校校舎の屋上に天体観測ドームを設置しました。
このドームには、天文台や研究機関でも用いられる高精度なリッチー・クレチアン式望遠鏡を備えており、月面や惑星はもちろん、星雲・星団などの深宇宙天体まで、鮮明な観測が可能です。
天体観測ドームは、理科の授業や探究学習、部活動での活用はもちろん、生徒の自主的な研究活動や地域連携イベントの拠点としても期待されており、都市部の学校でありながら、光害の合間をぬって宇宙の奥行きを体感できる貴重な学習環境が整っています。
観測時には、教員の指導のもと、生徒たちが自ら観測対象を選び、記録・分析・発表までを行う探究的な学びが展開されていきます。
「空を見上げ、問いを立てる」ことから始まる学びは、科学的思考力を育むと同時に、宇宙への興味や感動を原動力に、未来を見据える力を養います。

 

アトリウム空間

高校校舎の中央に位置するアトリウムは、天井全面に天窓を備えた、開放感あふれる吹き抜け空間です。
5階相当の高さまで伸びた構造は、全面の天窓から自然光をたっぷりと取り入れ、回廊状に配置された教室とともに、生徒たちの日常をやさしく包み込みます。
休み時間には生徒の明るい声が響き、学びと交流が交差する、本校の象徴的な空間となっています。