高校

2024/12/10

高校3年生 河合拓未さんがサイエンスフォトコンテストで優秀賞を受賞

株式会社ナリカ主催のサイエンスフォトコンテストで高校3年生の河合拓未さんが、作品「都内から見る夜空」で優秀賞を受賞しました。科学的知識を活かしながらも、芸術性のある作品を生み出した河合さんの写真の楽しみ方やサイエンス部での活動、そして未来への展望をインタビューしました。

優秀賞作品「都内から見る夜空」

河合拓未さんインタビュー

■サイエンスフォトコンテストでの優秀賞の受賞、おめでとうございます。
河合さん:ありがとうございます。今回はサイエンス部の奥多摩での合宿中に撮影した作品で受賞しました。このときの奥多摩合宿は2年目で、1年目は天候が悪くて撮影ができなかったので、天候の良かった今回こそ!と思って気合を入れて撮った写真です。

■この作品にはどんな工夫があったのでしょうか?
河合さん:科学的な知識が役に立ちました。長時間露光を避けて、短時間の露光を繰り返し撮影して繋ぎ合わせるような技法の写真です。父親から借りた魚眼レンズを使って、広い夜空全体を丸く捉えユニークに収まるように工夫しました。魚眼レンズはユニークな写真を撮るための特殊な機材ですが、父親が持っていたことで挑戦することができました。

■冬の奥多摩での撮影、何か大変だったことは?
河合さん:そうですね、2月の奥多摩は特に寒さが大変でした。カメラに霜がついてしまうこともあって、技術的な面でも苦労しました。でも、奥多摩は光害が少なく、空気が澄んでいるので、撮影に適した環境でした。冬の澄んだ空気のおかげで、星々が本当に綺麗に見えたんです。

■サイエンス部で得た科学の知見は写真を撮る活動にどう役立っていますか?
河合さん:科学的な知識は、観察対象を深く理解する助けになっています。サイエンス部の野鳥や天体観測のフィールドワークが活きていると思います。もともとは写真は、記録として撮る要素が大きかったのですが、最近は被写体が美しく撮れると芸術性も意識するようになりました。科学と芸術を融合させて、新しい表現を試していくのが面白いです。

■生物専門の部活動顧問の井上アン先生の指導も大きな影響があったとか。
河合さん:はい。井上先生は、生物への興味をとても楽しそうに探ってはみんなを巻き込んでどんどん実現していくんです。その後を追いながらいつの間にか自分も科学をもっと楽しみたいと思うようになりました。

■では、進路は生物や自然科学系ですか?
河合さん:進路としては、生物系の大学に進学したいと考えています。もともと生物にはそんなに興味はなかったのですが、井上先生の影響や、頻繁に”同じ釜の飯を食う”サイエンス部の活動で仲間と過ごした3年間が特別な時間でした。これからも科学を深く学び、自然現象をもっと理解していきたいです。

■北極星の撮影についても興味深いですね。
河合さん:そうなんです。北極星はほとんど動かない星で、その位置を中心に星の軌跡を撮影するのがとても面白くて。将来的には、北欧やカナダでオーロラを撮影したり、今回の作品は北極星が隠れた構図なので、次は北極星を構図の中心に据えて円形の軌跡を撮ってみたいんです。グリーンランド辺りから撮るとどうなるだろう、と考えています。

■最後になりましたが、今回の受賞についてどう感じていますか?
河合さん:理科の会社のコンテストなので尚更に嬉しいです。スマホを取り付ける望遠鏡を副賞にいただいて、すぐにでも試したい気持ちはあるのですが、まずは大学受験に集中してその後で使っていきたいと思っています。サイエンス部での活動を通じて、写真という新しい分野にも挑戦できたことが本当に良かったと思います。これからも科学と写真を融合させた作品を撮り続け、いつかオーロラのような壮大な自然現象の撮影にチャレンジしたいです。

■科学的な知見が河合さんの幅広い活動に結び付く様子が伝わってきてワクワクしました。今後のご活躍を楽しみにしています。大学受験がんばってください。ありがとうございました。

サイエンス部の奥多摩合宿①
サイエンス部の奥多摩合宿②
サイエンス部の奥多摩合宿③

本校では、河合さんのような探求心を持つ生徒たちが、魅力的な教職員の背中を追いながら自由な発想で学びを深めることができる環境があります。今後も、生徒たちが持つ可能性を最大限に引き出しながら、新たなチャレンジを応援していきます。

 (広報室)