工学院大学附属中学校・高等学校

校長からのメッセージ

21世紀の世界で活躍する為の学び

校長 平方 邦行 KUNIYUKI HIRAKATA
21世紀の社会は過去の経験や知識を当てはめるだけでは解決できない問題が山積した、予測不能な社会といっても過言ではありません。同時に科学技術の進歩には目を見張るものがあり、グローバル化は急進展してきました。

そして、ITの進化と普及は高度情報化社会を齎し、同時に格差社会の広がりを一気に加速させています。また、最近はAI社会の到来による人間社会の危機が指摘されるなど、ネガティヴな反応が充満する気配を感じることがしばしばです。こうした不確実性の時代には、「知識論理型」の思考力を凌ぐ「論理創造型」の思考力を育てる必要があると考えています。工学院大学附属中学校・高等学校の学びは、ICTを活用した主体的に問題の解決に取り組む課題解決型のPBL(Project Based Learning)や、一方通行の講義型授業ではなく講義に対話を取り入れたPIL(Peer Instruction Lecture )などの双方向型の授業を基本にしています。このような21世紀型の学びを通して生徒一人ひとりには、柔軟な対応力と創造力が備わった自己肯定感を持てる若者へと成長して欲しいと願っています。そして、グローバル市民として活躍するために必要な英語の運用力を習得し、コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を身に付けることが重要でしょう。私立学校には未来に備える多様なプログラムを通じ、生徒が自らの道を切り拓く教育を模索することが求められている筈です。それでは受験生の皆さんにお聞きしますが、「あなたは、何のために勉強するのでしょうか」「入学試験があるから」と答える人は、いないでしょうか。受験に成功し、志望校に合格することは喜びでしょう。しかし、学びのゴールが、単に「有名な学校に入ること」であっては、淋しくありませんか。既に学歴だけでは、将来の生活保障はありません。現代社会では、一生『学び』続けることが求められています。

残念ながら、わが国の学びの構造は「受験のための勉強」となっているのが現状です。授業では1つの正解を求めることが最優先され、探究や思考のプロセスは、あまり重視されていません。しかし、ただ記憶しただけの知識はすぐに忘れてしまいます。必要性を感じて身につけた知識やスキルは自分のものとなって残ります。折角勉強するのですから、活用できる知識や技能を身につけたいものです。3年後または6年後の目標を見据えながらも、大学入試の先のステージへ羽ばたくための学力を身につける。中学や高校、そして大学の教育は未来に備えることであり、社会で必要とされる若者になるための準備期間として位置づけられると思います。工学院では皆さんの期待に応えられるように、海外研修や海外留学のプログラムをたくさん用意しています。インターネットの発達により、ウェブ上で海外の映像や庶民の生活のようすを見てバーチャルに体験することが可能になりました。しかし、そこにはどうしても足りないものがあります。それは肌で感じる現実感です。たとえ短期間でも海外での生活を体験することは、その国の全てをリアルに肌で感じることが出来るという意味で大切なことです。このような異文化での生活体験は、多様な民族や文化を受入れ、寛容な社会を創造するうえで活かされます。ぜひ皆さんも、グローバリゼーションの波が押し寄せる激動の時代を生き抜くために21世紀型のスキルや「生きる力」と「確かな学力」を身につけて、世界で羽ばたいてください。21世紀のグローバルリーダーが、工学院から数多く輩出されることを願っています。